【これは約 6 分の記事です】
ユニクロのサイトの一つに、Tシャツの販促をするサイトが有ります。
UTme!
https://utme.uniqlo.com/
こんな感じのサイトです。トップページはデザインが毎回変わるので、FAQページをキャプチャしております。
こちらのサイトでTシャツを販売するにあたり、商品紹介Facebookページの良いねの水増しをして売上を伸ばすことを、ユニクロは許容しています。
Contents
いいねの水増し(横取り)の手法
まず、販促用Facebookスポットを作成します。
具体例として、福井駅のスポットを名乗って、Tシャツ販促用のFacebookページをあげます。
福井駅:福井県の形が「ネコ」に、いいね!
https://www.facebook.com/Fukui.Cat/
そして、位置情報を、福井駅と同じにします。福井駅だと
910-0006 福井市中央1-1-1
この状態だと、「多くの人がチェックインしている福井駅の非公式スポット」と「福井駅とは無関係の組織によるTシャツ販促」が並びます。ここまでは問題ありません。単に非公式スポットとTシャツ販促サイトが並ぶだけです。
問題はここから。
この詐称サイトは、今まで多くの人たちがいいねしていた福井駅のFacebookページの統合を行います。
本来はこのページ。統合によるリダイレクトを無効化したリンクです。
福井駅
https://www.facebook.com/pages/%E7%A6%8F%E4%BA%95%E9%A7%85/151452411586368?nr
これにより、何が出来るか
ページ統合により本来のFacebookページの「いいね」や「チェックイン」が横取りできます
本来の福井駅に「いいね」をした人はもちろん、UTmeで販売されているTシャツ販促ページにいいねしていません。が、本来のページへの「いいね」が、Tシャツ販促ページに横取りされます。
これにより、あたかもそのTシャツ販促ページは人気があるが如くカウントされます。
私は、本来の福井駅スポットにチェックインをしたのですが、私のチェックインは詐称スポット「福井駅:福井県の形が「ネコ」に、いいね!」にしたことに変更されています。
本来のスポットへのチェックインができなくなる
本来のスポットは、ページ統合により消えてしまいます。したがって、FacebookやInstagramのスポットのリストから消えます。
利用者は「福井駅:福井県の形が「ネコ」に、いいね!」スポットにしかチェックインできなくなります。
もっとも、本来のスポットはFacebookが自動的に作った非公式スポット。なので、利用者がこの「福井駅:福井県の形が「ネコ」に、いいね!」を無視して、新たに「福井駅」のスポットを作れば新しいチェックインが出来るようになります。もちろん、新スポットも詐称ページが遅かれ早かれ乗っ取るでしょう。
スポット名は詐称ではないが、いいねとチェックインの数は詐称によるカウント
スポット名は「福井駅:福井県の形が「ネコ」に、いいね!」なので、本来の福井駅スポットとは区別できるようになっています。その意味で、スポット名は詐称していません。
ここで詐称しているのは、「利用者のいいね及びチェックインの記録」。本来のスポットへの言い値を合算することにより、「いいね」されていないのに「いいね」していることにされているのは、詐称に利用されている、と言っていいでしょう。
公式スポットは乗っ取ることができない
この詐称スポットによる乗っ取りを防ぐ方法は、そのスポットに対して、公式ページを作ることです。
実際に、東京駅は公式スポットを作ることにより、乗っ取りを免れています。
東京駅のFacebookスポット
https://www.facebook.com/TheTokyoStation/
もちろん、東京駅に対してもTシャツ販促ページは存在します。
東京駅:東京都の形が「熱帯魚」に、いいね!
https://www.facebook.com/Tokyo.Tropical.Fish/
本来のスポットではないので、それ程いいねもチェックインも付いていません。見た限りでは、日本人ではなく外国の方のチェックインが多いようです。
紛らわしいですからね。日本人であれば区別は容易ですが。
ただ、この「東京駅:東京都の形が「熱帯魚」に、いいね!」はスポット名もチェックインもいいねも詐称はしていないので、許容してもいい範囲ではないかと、私は思います。邪魔とは思いますが、邪魔というのは主観の問題です。もしかしたらこの県の形シリーズを楽しみにしている人もいるかもしれません。
ユニクロに問い合わせたら放置するスタンス・Facebookに問い合わせたらこちらには関与しないというスタンス
詐称スポットによる販促は問題があるので、ユニクロとFacebook両方に問い合わせました。で、回答は
- ユニクロは「Facebookの問題なので、Facebookに問い合わせてください」という回答
- Facebookは「こちらでは関与しないので、そちらで解決してください」という回答
どちらも、責任転嫁していますね。
ですが、少なくともユニクロは、この詐称スポットの仕組みを許容することによって収益を得ることが出来る立場。Facebookの問題と済ますことはできない立場ではないかと思います。
この問題、ユニクロには対応していただきたいですね。
防災SNSアドバイザー。情報処理安全確保支援士第5338号。ネットワークスペシャリスト。ITコーディネータ
東北大学大学情報科学研究科第2期生。1994年からインターネットに携わる。システムベンダーの総務社内SEとして、社内システムの構築運用やBCP策定、従業員教育に関与。2015年情報セキュリティ専門法人「まるおかディジタル株式会社」を福井県坂井市丸岡町に設立し現在に至る。研修では基本的に防災のお話以外では着物でお話させていただいております。
情報セキュリティ・IT関連資格取得・企業防災(BCP)の組織内教育・コンサルティング・支援・取材のお問い合わせなどございましたら、こちらからご連絡ください。
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