【これは約 6 分の記事です】
弊社社長が子供の頃、「UFOロボ グレンダイザー」というロボットアニメが放送されていました。
放送は、1975年10月から全74話なので、結構人気があって続いたようです。個人的にはこのアニメの主人公の妹、マリアさんが子供心にいいなあと思ってみていたのですが、どうやら、この番組の人気の理由はこのマリアさんだったらしいので、私の感想は普通のようです。
マリアさんの名前は「グレース・マリア・フリード」といいますので、どんなキャラか知りたい方は、この名前か、「グレンダイザー」というキーワードもつけて検索していただければと思います。大人になった今の私が見ても、惹きつけられるキャラクターです。
フランスでは視聴率100%という脅威の数値を出したらしいですが、一体どういう算出の仕方をしたかは謎ですし、今回はそういうお話ではないです。
今回のお話は、グレンダイザーの発進ルートの選び方がセキュリティ上正しいかについて
Contents
8つの秘密ルート
グレンダイザーの秘密基地はダムの中にあるのですが、基地の位置をさとられないように、発進口を8つ持っています。
この発進口、最初に出てきたのは、18話の「発進!!秘密ルート7」で、何故このルートが使われたかというと、
- 仲間の一人、兜甲児に発信機が取り付けられていた。
- それに気づいてとりあえず発信機を車で外に出す
- それでも発信源の周辺を攻撃された。その中には主人公と関係する民間人の牧場も含まれていた
- そこから敵をそらすために8つの秘密ルートのうち、滝壺から発信するルート7を使って出撃
という流れです。これによって、敵は牧場及び基地から離れた場所を攻撃するようになりました。
で、これ以降、グレンダイザーは何度か8つの秘密ルートのどれか及び本来のダムの発進口を使って発信するのですが、
ほとんどルート7の滝壺ばかり使います。
これ、毎回ルート7ばかり使うより、他のルートもまんべんなく使ってどこが発進口かわからないようにした方がいいんじゃないかと子供心には思ったのですが、今は、そうじゃないほうが安全だと考えています。
仮にルート7が壊されても、他のルートを温存できる
もしまんべんなく、他のルート8つを使っていたら、それらの存在が知られる可能性が高くなります。全てのルートを壊されるよりは、ルート7だけが壊される方がマシですね。
でも、もう一つ、できるだけルート7だけを使う方がいい理由があります。
サイドチャンネル攻撃・タイミング攻撃
情報セキュリティで学ぶ暗号解読の攻撃方法として
- サイドチャンネル攻撃
と言うものああります。それは、暗号装置の挙動を確認することで、暗号装置の仕組みを解読して暗号を破る攻撃です。
で、そのサイドチャンネル攻撃の一つとして、
- タイミング攻撃
という暗号を破る方法があります。これは
暗号化したり戻したりする際の処理時間に注目して、暗号の仕組みを解析する
という方法です。
グレンダイザーの発進ルートの分散は、秘密基地の位置をわからなくする、という意味で、暗号化の一種と考えていいでしょう。
発進口3箇所とそれぞれの出撃所要時間がわかると、基地の場所が特定できてしまう
で、ルートの出口3つがわかると、そこから基地の位置の特定ができるようになります。GPSが3つの衛星で位置を特定するのと同じ原理です。
正確には、ルート3つと、それぞれの出撃所要時間がわかればかなり基地の位置が特定できます。
もちろん、出撃所要時間がわかると基地が特定できる、ということは、宇門博士をはじめ、秘密基地の設計をした人はわかっていると思うので、ルートは直線ではなく、曲がりくねっています。
毎回ほぼルート7を使うのは、セキュリティ上意味がある
そういうことで、出来る限りルート7だけを使うのは、セキュリティ上意味があるのです。他のルートをほんとうに必要なときだけ使うように温存し、基地の位置をサイドチャンネル攻撃で知られないようにする。決してセル画を使いまわすため、というわけではないと思います。
グレンダイザーの出撃ルート情報
この投稿を書こうとした時、グレンダイザーの出撃全部見なきゃいけないかなあと思っていました。
74話か・・・ちょっと大変だぞ
と思っていたのですが、出撃ルートを考察したサイトが有りました。
グレンダイザー出撃ルート一覧
http://www.frontier-line.org/goldrak-discussion/discussion9.html
すげえよ、インターネット。
防災SNSアドバイザー。情報処理安全確保支援士第5338号。ネットワークスペシャリスト。ITコーディネータ
東北大学大学情報科学研究科第2期生。1994年からインターネットに携わる。システムベンダーの総務社内SEとして、社内システムの構築運用やBCP策定、従業員教育に関与。2015年情報セキュリティ専門法人「まるおかディジタル株式会社」を福井県坂井市丸岡町に設立し現在に至る。研修では基本的に防災のお話以外では着物でお話させていただいております。
情報セキュリティ・IT関連資格取得・企業防災(BCP)の組織内教育・コンサルティング・支援・取材のお問い合わせなどございましたら、こちらからご連絡ください。
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