過去問点数が低いので軌道修正勉強:日商簿記2級合格(20点→80点)

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【これは約 12 分の記事です】

日商簿記合格体験記です。

  • スケジュール
  • 勉強の視点
  • 解答方法

とあるのですが、今回は軌道修正のための勉強の視点です。

過去問実施までは、単純にテキストを読んで練習問題を解く

スケジュールの時にも書いたのですが、予定としては全部で3ヶ月120時間の学習時間を想定していました。

過去問を開始するのは本番4週間前ですが、それまでの8週間は特に工夫はなく、単純にテキストを読んで付随する練習問題を解く、ということをやっていました。といっても時間が取れないことも多かったので、テキストを読んで、これはわかるなと感じるものについては練習問題を省いています。

「これはわかるな」の感覚はかなりクセモノで、実際にはわかっていない、ということも多々あるのですが、それは過去問を実施することで修正すれば良いと考えたからです。過去問に必要なのは最初3週間と見積もったのですが、今回は独学ではなく簿記講座を受講したので、講座に合わせて4週間前からにしました。

直近の過去問は、本番に向かうレベルになるまで温存

今回受けたのは第140回ですが、私は最初に第130回の過去問からから行いました。何時の時点での過去問をすべきかというのはよく話題に上がりますが、私は直近の139回は、最後に回しました。もちろん習いに行っている講座のカリキュラムがそうだからでもあるのですが、たとえ独学でもそうしたと思います。実際に簿記3級の時は独学でしたが、この時も直近の過去問は後回しにしています。これは

最初に試す過去問は間違いなく点数が低い。
問題傾向がおそらく本番に近いだろう第139回は、本番に向かうレベルになった時に最終調整で解くために温存したい

と考えたためです。

最初の過去問は50点を予想していたが、第130回32点、第131回20点だった

簿記3級受験(第139回)の時も、過去問をやりましたが、最初の過去問(第129回)で82点でした。もっとも、この第129回簿記3級の合格率は49.8%と近年で簡単だったので、もう少し合格率の低い第134回簿記3級(合格率33.9%)を試したところ86点でした。

なお、合格率は、ここを参考にしています

簿記 受験者データ|商工会議所
http://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data

さすがに1回目の過去問で合格点に行くほど2級は甘くないだろうと思っていましたが、それでも3級の感覚から、最初も過去問でも50点ぐらいは行くだろうと考えていました。

ところが、日商簿記2級の過去問の点数は

  • 第130回 32点(合格率 31.5%)
  • 第131回 20点(合格率 30.7%)

と予想よりも悪い状態でした。これは立て直しが必要です。

あと4週間。

最初の予定では過去問は3週間で対応と考えていたのですが、4週間に前倒しして正解でした。この点だけでも、今回は独学ではなく商工会議所の講座を受けて正解だったと思っています。3週間でも立て直しは出来たかもしれませんが、約1.4倍の無理が必要です。

間違えた表層原因を分析

20点しか取れないということは、間違えたところだらけです。まず、間違えた原因を調べて修正していきます。最初のうちは表層的な原因しかわかりませんが、とりかかりはそこからです。

表層的な原因のいくつかはわかりました

  • 書式を理解していない系統
    総勘定元帳や銀行勘定調整表のフォーマットを知らない
  • 区別不足系
    先入先出法か移動平均法かを区別していない
    仕掛品として考えるか加工品として考えるかを区別していない
  • 計算ミス系
  • 仕訳で借方貸方がどちらかわからない系

フォーマットを知らない分には間違えた解答と正解とを比べてどこがどう違うかを理解した上で勉強しなおしました。

区別不足については、どう区別してよいかということを勉強しなおしました。

計算ミス自体はなくせませんが、計算ミスに気づきやすい解き方を考えなおしました。それは別のブログにでも書こうかと思います。

貸方借方がわからないものについて、個別なものについては都度覚えなおそうとしたのですが、どうもうまく行きません。根本原因の分析が必要でした。

理解していない根本原因を分析

表層的な原因を分析すれば、同じ問題がでた時には二度と間違えませんが、同じ問題が出るということは多くありません。

そこで、「何故」を繰り返して深い原因を追っていきました。「何故を繰り返す」はトヨタの会社力の秘密を語る際に出てくる有名な方法ですが、それを私なりの解釈でやってみました。

「何故、工業簿記で製造間接費と仕掛品の仕訳と金額が出せないのか」

「配賦する」「計上する」という動詞を理解していなかったことが根本原因

最初私は工業簿記の予定表費価格の仕訳と計算で間違いを犯していました。

  1. 何故、予定消費額の仕訳ができないのか
  2. 仕掛品と材料費のどちらが借方か貸方かがわからないのが原因だが、何故わからないか
  3. 勘定連絡図をどう適用していいかわからないのが原因だが、何故適用の仕方がわからないのか
  4. 「配賦する」「計上する」という言葉の意味がわからないのが原因だが、何故わからないのか
  5. 問題文の取引に出てくる動詞からどのように仕訳をしていいか理解していないのが原因

最初、私は根本原因の追求を「勘定連絡図がわからないから」で止めていました。それで勘定連絡図を書いて覚えることを実施したのですが、理解していない感覚は解消されませんでした。そこでもっと深い根本原因があるのではないかと思い、何故を繰り返してみました。

第132回第4問の問題を改めて確認したのですが、私がわかっていないところを象徴する問題はここでした。

原料の消費価格差異を計上した。なお、原料の月初在庫は100kg、購入原価は1kgあたり400円で記録されていた。(以下略)

私が変わっていないのは「消費価格差異」ではなく、「計上した」でした。「計上した」でどのような仕訳をするのかがわかっていなかったのです。

商業簿記、工業簿記の取引に出てくる動詞を羅列した

そこで、工業簿記に出てくる動詞を羅列していくことにしました。また、動詞を羅列する際、最初は工業簿記に出てくる動詞だけを抽出しようかと思ったのですが、区別するのが面倒くさかったので、商業簿記の取引の動詞も羅列していきました。

それなりの数の動詞がありますが、しょせん有限。A4ノート2ページぐらいで動詞羅列できました。

羅列はこんな感じです。商業簿記・工業簿記どちらからも抽出しています。私のノートではほぼすべてを羅列しているのですが、ここでは私が特に間違っていた仕訳と関わる動詞を羅列します。

羅列した動詞の抜粋

決済されていた・償還した・計上している・交換した・保証人となった・未達のため未記帳になっていた・保管されたままであった・改良とみなされた・火災保険を結んでいる・見積もった・組み入れた・別段預金とした・納付した・繰り延べた・連絡を受けた・原価を算定した・配賦した・予定配布している・消費した・・・などなど

工業簿記で間違える根本原因は、商業簿記で間違える根本原因の一つでもあった

先ほど書いたように、解けない原因があると考えていたのは工業簿記の方だったので、商業簿記の方の動詞羅列はもののついで程度にしか考えていませんでした。

ところが、実際に羅列していくと、動詞の理解不足ということが商業簿記で間違えている根本原因の一つでもあったということがわかりました。

例えば「組み入れる」という動詞、商業簿記で増資の際に出てくる動詞ですが、この動詞とどういう仕訳が対応するかわかり、資本金関連の仕分けがスッキリできるようになり、増資の問題を間違えなくなりました。

「取引の8要素」の理解で、動詞と仕訳の関係がはっきりしてきた

私が受験するのは2級でしたが、同時に3級の内容の理解を深めるため、「自分が自分を教える動画」と称して、自分が3級を学習する姿を配信する動画を作っていました。ちょうどこの頃作っていた内容が「取引の8要素」です。このスライド作成しているので、添付します。

 

この資料を作った時点では、2級が理解できない根本原因と取引の8要素が密接に関係しているとは思っていません。

ところが、取引の8要素について頭にたたき込むと、動詞と仕訳の関係、借方貸方に入るべき勘定がはっきりしてきます。

例えば第132回第4問でこういう問題がありました

直接工の直接作業時間は合計で180時間、間接作業時間は150時間(以下略)

ここで動詞は直接出てきませんが、「時間に応じて賃金を配賦する」が隠れた動詞になります。

  • 取引の8要素を考えると、この場合は、資産の増加と資産の減少。
  • 賃金を時間配分するので、資産の減少として賃金を取り扱う
  • 直接作業時間分の金額を仕掛品に割り当てるので、資産の増加として仕掛品を取り扱う
  • 間接作業時間分の金額を製造間接費に割り当てるので、資産の増加として製造間接費を取り扱う

もちろん、取引の8要素は貸方借方に入るべき勘定を考えるための要素なので、今考えれば当たり前なのですが、学習時点ではそういうこともわかっていない状態でした。私が工業簿記でひっかかった原因は意外と簿記の基礎部分の理解不足で、商業簿記にも工業簿記にも共通して言えることだったのです。

根本原因解消で、64点まで向上

このように、自分が解答を間違える原因を表層も根本も含めて見直すことで、

6月9日(試験5日前) 64点(第138回過去問:26.4%)

まで上がりました。

これでも合格点には達していませんが、この場合の到達しない原因は

時間が間に合わない

でした。

もちろん、簿記2級の内容を完全に理解していれば間に合わないほど迷うことはないのでしょうが、6月9日は試験まであと5日の時点です。完全理解は諦め、試験時間内に合格点にたどり着くために「試験内の時間配分」を考えなおしましたが、それは別の機会にブログに書きたいと思います。

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