【これは約 4 分の記事です】
TM Networkの「Get Wild」。この曲がシティーハンターのエンディングでフェードインしながら入ってくる演出が結構好きです。もちろん、曲も好きです。
で、この曲の歌詞を元にしたGoogle FormのアンケートがSNSでシェアされて話題になりました。
面白そうなので、一瞬回答しようとしましたが、
ちょっと待て
Googleフォームへの直リンクでのシェアです。
つまり、こんなURLでのシェア
https://docs.google.com/forms/ナンタラカンタラ
アンケート文を見ましたが、
- アンケート目的
- アンケートの主体
- アンケートで収集した情報の取扱
について一切書かれていません。
出所の分からないアンケートは答えるべきではない
見出し通りです。Get Wildの歌詞について答えるだけなら問題ないかと思いましたが、この質問を皮切りにしてどんな情報を収集してくるかわからないので、アンケートには答えませんでした。
Googleフォームは不審なアンケートへの対応をしてはいる
アンケートフォーム、Google以外のところで作成すると、本人が気づかないうちに、IPアドレスなど利用者個人が特定出来る情報を取得し、それを確認することができます。
IPアドレスを取得すること自体が悪いことではないですが、運用主体がわからないところにIPアドレス情報が伝わるのは警戒したいところ。
Googleフォームはこういう懸念を想定していて、IPアドレス情報を集計者側で見ることはできなくなっています。
また、Googleフォームでは画像をURLから引っ張ってくることが可能です。ですが、アンケート画面で画像を出すときは、そのURLを利用するのではなく、Google自身で取り込んだ画像を表示しますので、URL閲覧時のログを利用してIPアドレスを特定する、ということはできません。
Googleフォームの意図しないかたちでの個人を特定できる情報の収集ができない工夫をGoogleはしています。不審なアンケートが広まる可能性を、Googleは考えた上で設計しているようです。
アンケートは出処が明確なページからリンクする
ですが、いくらGoogleが不審なアンケートが作られにくい仕様にしていても、入力者が正当な手段で解答を入力することを防ぐことはできません。例えば子育て支援のための情報収集と言って、犯罪利用のため子どもの情報を収集する、という可能性もあるかもしれません。
もちろん、有用なアンケートもありえます。そのアンケートが信用に足るかを確認するには、内容もさることながら出処も確認する必要があります。
なので、シェアする際にはGoogleフォーム直接リンクではなく、そのアンケートの出処がわかるリンクを紹介すべきです。アンケートを作成する側も、それを考慮してアンケート紹介ページを作るべきでしょう。
防災SNSアドバイザー。情報処理安全確保支援士第5338号。ネットワークスペシャリスト。ITコーディネータ
東北大学大学情報科学研究科第2期生。1994年からインターネットに携わる。システムベンダーの総務社内SEとして、社内システムの構築運用やBCP策定、従業員教育に関与。2015年情報セキュリティ専門法人「まるおかディジタル株式会社」を福井県坂井市丸岡町に設立し現在に至る。研修では基本的に防災のお話以外では着物でお話させていただいております。
情報セキュリティ・IT関連資格取得・企業防災(BCP)の組織内教育・コンサルティング・支援・取材のお問い合わせなどございましたら、こちらからご連絡ください。
メール・お電話・FAX・Facebook
https://www.maruoka-digital.jp/contact/form/